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目次
企業概要
ミシン屋から始まり、プリンター屋へと変化した老舗企業
ブラザー工業は「安井ミシン兄弟商会」という会社を起源に持つ、1934年創業の企業です(社名のブラザーもそこから)。
そうして始まった企業は歴史の流れとともに事業を拡大していき、今や「プリンティング・アンド・ソリューションズ(P&S)事業」「パーソナル・アンド・ホーム(P&H)事業」「マシナリー事業」「ネットワーク・アンド・コンテンツ(N&C)事業」「ドミノ事業」の4つの核を持ち、多様な商品ラインナップを備えるようになりました。
セグメント別で売上を見ると上図のようになります。
起源であるミシン事業を含むP&H分野は全体の7%である一方、皆さんもご存知であろうプリンター事業を含むP&S分野が全体の半分以上を占めています。
それぞれの事業について簡潔にご説明します。
プリンティング・アンド・ソリューション(P&S)
インクジェットプリンター・レーザープリンター・スキャナー・ラベルライターなどを製造しています。
ちなみに、ブラザー工業のレーザープリンターを開発したのは現社長である佐々木一郎氏です。
パーソナル・アンド・ホーム(P&H)
刺繍用ミシン、一般家庭用のミシンを製造しています。
ブラザー創業以来の事業ですね。
マシナリー
工業用ミシン・工作機械(マザーマシン)を製造しています。
また、2013年にはニッセイを子会社化し産業用部品分野に進出しました。
*工業用ミシン事業でブラザーと世界トップシェアの座を競うJUKIの記事も公開しています!
ブラザー工業の祖業でもあるミシン事業について詳しく知りたいなら、JUKIの企業研究も必須!ぜひご覧ください!
関連記事JUKIの選考対策・企業研究情報 | 工業ミシンで世界首位、世界の「衣」を支える読む
ネットワーク・アンド・コンテンツ(N&C)
JOYSOUND(子会社であるエクシングが運営)などの事業が含まれます。
ドミノ
イギリスの会社Domino Printing Sciences PLCを買収し2015年度から登場した事業分野です。
コーディングマーキングという、ジュース缶の賞味期限印字やPCB基盤へのマーキングを行う機械を製造しています。
(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/63071)
プリンター事業の展望
昨今、国内においてはペーパレス化が進展していますね。
上で見たようにブラザーの売上の半分以上はプリンター事業によるものですから、企業の将来性を不安視する方もいらっしゃるかと思います。
これまでの売上高推移を見る限りでは、プリンター事業も売上高を順調に伸ばしています。
これは、国内ではなく国外販売に力を入れているからでしょう。
ブラザーの海外売上比率は81.8%です。
また、北米・欧州におけるSOHO向けプリンタ・FAX業界ではブラザー工業はトップシェアを誇ります(海外売上の50%をこれらの地域が占めます)。
ブラザー工業のプリンターの一番の特徴は、このSOHO市場に向けた製品ラインナップを揃えているということです!
SOHOとはSmall Office/Home Officeのことで、小規模事業者のことを指します。
そしてこの市場向けに、ブラザーは小型かつ機能の簡略化されたプリンターを販売しているということですね。
また、ペーパーレス化により従来の大企業向けプリンターが不要になる流れから、一転してブラザーの省スペースプリンターが大企業でも注目される流れができているようです。
アジア等新興国市場の売上比率も25%と少ないですが、今後ますます伸びるのではないでしょうか。
新興国ではまだまだプリンター需要が強くあるので、すぐに経営が傾くようなことは考えにくいです。
もちろん、将来的には新規事業を興す必要性はありますし、現にブラザー工業では、これを優先課題として位置づけているようです。
結構ホワイト
「新入社員に優しいホワイト企業ランキング」で第一位に選ばれるなど、ホワイト企業としても有名です。
他のポイントとしては本社の目の前にブラザー記念病院がある、週1回私服勤務デーがあるなど。
また、精密機器業界における残業時間ランキングでは第二位に位置するなど、残業時間も少ない傾向にあるようです。
もちろん繁忙期か否かや部署ごとに差は出るでしょうが、全社での平均残業時間は12.8時間/月とのこと。
そういった要素が好きな学生にとっては魅力的な企業かと思います。
(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/110497?page=2、https://news.careerconnection.jp/?p=61996)
企業方針
CS B 2021
https://global.brother/ja/corporate/csb
2019年度から2021年度にかけたブラザー工業の経営戦略資料です。
各セグメントごとの経営目標が掲げられていますので、就活生は1度は目を通しておきましょう。
本サイトでは中期経営計画から志望動機を考えることをオススメしています!
具体的な方法については、上の画像をクリック!
採用情報
インターンシップ優遇
なし
2021卒は文理ともに1dayセミナーが開催されるのみでした。
企業研究やブラザー特有の雰囲気を知ることはできますが、本選考とはほぼ関係がないでしょう。
なお、1dayセミナーに参加すると採用担当者との少人数懇談会に参加できます。
かなりフランクな雰囲気で実施されますので、ブラザーに関する不安ごとを解消するにはもってこいの機会です。
その他優遇
なし
OB訪問が優遇に繋がった・リクルーター面談を行ったという話は聞いたことがありません。
就職難易度
★★★☆☆(3/5)
文系の場合、採用人数が10名前後ほどと大分狭き門になっています。
また、エントリーシートの提出には説明会参加が必須ですが、なるべく早い日程で申し込む必要があります(採用担当者に聞きました)。
説明会予約メールには気をつけましょう。
理系の場合も、推薦を出さなければ土俵にすら立てないレベルのようです。
一方で、地元が名古屋の学生にしか人気がないイメージがあります。
Uターン就職を考えている方で、学歴がある方は受ける価値がある企業かと思われます。
備考
エントリーシート通過者のみSPI(テストセンター)およびTAL(性格検査)の受験が必須となります。
また、エントリーシート通過者は社員との座談会や面接対策講座といった手厚いサポートを受けることができます。
ちなみに文系に限った話ですが、エントリーシートの通過率はかなり低いです。
選考辞退したので詳細は分かりませんが、1次面接の予約時点で倍率は高くとも6倍です。(採用枠15人に対し面接が全日程埋まって90人と仮定)
エントリーシートから本腰を入れて望みましょう。
なお、営業職希望の場合は「ブラザー販売」という会社に応募する流れになります。
志望者が見ておくべきコンテンツ
BVCM(ブラザーバリューチェーンマネジメント)
ブラザー工業の商品開発に関するメソッドを、BVCMと呼称します。
有名なものではありませんし、とりたてて特異なものでもありませんが、ブラザー工業の商品開発にかける精神を知る際には有用です。
ソフトベンダーTAKERU
https://ascii.jp/elem/000/001/248/1248724/
ブラザー工業は割と「参入」→「撤退」を繰り返す企業です。
その一例として、ソフトベンダーTAKERUが挙げられます。
本製品自体はもうこの世に存在しないものですが、その失敗をJOYSOUNDの成功に繋げた企業風土を知ることができる一例です。
ブラザーミュージアム
https://global.brother/ja/corporate/museum
名古屋・堀田のブラザー本社前にあるブラザー工業の展示館です。
企業理解を深めたい場合は訪れてみてはいかがでしょうか。入館無料です。
年収など
従業員情報
- 従業員数:3865人
- 平均年齢:42.4歳
- 平均勤続年数:15.2年
- 年間給与:769.9万円
セグメント別従業員数
- プリンティング・アンド・ソリューションズ:2171人
- パーソナル・アンド・ホーム:256人
- マシナリー:744人
- ネットワーク・アンド・コンテンツ:36人
- ドミノ:9人
- その他:174人
- 全社:475人
(2019年3月期有価証券報告書より:http://download.brother.com/pub/jp/investor/yuho/pdf/2018q4/2018.pdf)