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目次
企業概要
ドイツと日本を二大拠点に持つ首位工作機械メーカー
画像引用元:DMG森精機
DMG森精機は奈良県大和郡山市発祥、愛知県名古屋市に本社を、三重県伊賀市に事業所を置く世界的な工作機械メーカーです(旧社名:森精機製作所)。
2015年には、予てから資本提携を進めていたGILDEMEISTER AG(DMG MORI SEIKI AKTIENGESELLSCHAFT)を子会社化しました。
DMG森精機は、一言でいえば対企業向けに工作機械を製造している会社です。
工作機械はマザーマシンという別名のとおり、「機械を作る機械」です。
上の画像のように、製品を作る過程においてマトリョーシカ人形のように工作機械は用いられており、あらゆる産業を下支えしていると言っても過言ではないでしょう。
景気変動の工作機械業に対する影響
工作機械メーカーは「景気動向の先行指標」とも言われるように、景気変動のあおりを非常に受けやすい業界です。
というのも、DMG森精機の事業者規模別受注構成は上の図のようになっており、取引相手の半分以上が小規模事業者です。
財務が盤石な大企業に比べ、中小企業は不況による影響が大きく、DMG森にとっても対岸の火事ではないと言えます。
参考:「緊急事態「3カ月で事業不安」3割強 社長アンケート」日本経済新聞、2020年4月13日
競合他社との比較
DMG森精機の競合企業にはヤマザキマザック、オークマ、ジェイテクトが挙げられます。
これらのうち、非上場であるヤマザキマザックを除いた2社とDMG森精機について、売上機種の円グラフを作成しました。
(クリックして拡大して御覧ください)
受注総額はDMG森精機が4094億円、オークマが785億円、ジェイテクトが1750億円となります。
DMG森精機が他2社を大きく上回る形となりますね。
各企業について少し補足をしながら、DMG森精機の強みについてご説明します。
オークマ
DMG森とオークマの違いを決定づける要素は売上地域でしょう。
オークマが売上の半分を日本で稼いでいるのに対し、DMG森精機の売上に占める日本の割合は15%に過ぎません。
また、DMG森精機が売上の半分を欧州で稼いでいるのに比べ、オークマは16%に過ぎません。
売上の8割を海外で稼ぎ出しているというところで、DMG森精機のグローバル性が見て取れますね!
ジェイテクト
ジェイテクトの業種別売上高比率の6割ほど(1000億円前後?)を自動車産業が占めています。
DMG森精機の自動車・二輪業種に対する売上は全体の16%(655億円)ですから、大きく遅れを取っていると言えるでしょう。
これは、ジェイテクトの大口顧客にトヨタ自動車が存在することが要因として考えられます。
ジェイテクトの総売上高に占める工作機械の売上高は11%に過ぎず、ステアリングや軸受など自動車部品の製造が残り9割を占めています。
そのため、自動車業界に強みがあることは至極当然のことかもしれません。
しかし、ジェイテクトとは異なりDMG森精機は一業種に受注が偏っておらず、そのことによるメリットも存在します。
DMG森精機の業種別受注割合は上の画像のようになっており、非常にバランスが良い受注先割合を構成しています。
ここでは、「多くの産業を満遍なく下支えしている」「受注に関するリスクマネジメントができている」という2つのメリットが挙げられます!
ジェイテクトについて理解しておくことで、DMG森精機の強みをより一層理解することができます。
ぜひ、ジェイテクトについても企業分析情報を一読することをオススメします。
国外
工作機械業界における世界シェアでDMG森精機と双角を成す企業がドイツのTRUMPFであり、38億ユーロ(約4446億円)を売り上げています。
DMG森精機の総売上高は4858億円ですから、ほぼ互角の1位・2位争いを繰り広げています!
DMG森精機のDMG部分(ギルデマイスター)がTRUMPFと同じドイツ企業であり、かつDMG森自体も受注の2割をドイツで持っているため、ドイツが工作機械メーカーにとってのメッカですね!
*DMG森精機とオークマは2019年度、ジェイテクトは2018年度のデータを参考にした。
なお、ジェイテクトの機種別売上高は不明であったため、アニュアルレポート記載の円グラフを再現
企業方針
DMG森精機は中期経営計画を公表していません。
そのため、アニュアルレポートや株主通信といった資料をもとに企業理解を深めましょう。
アニュアルレポート
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/ir/ir_library/pdf/2019_ar_j.pdf
経営理念やDMG森精機ならではの強みが掲載されています。
有価証券報告書
https://www.dmgmori.co.jp/corporate/ir/ir_library/pdf/72yuho_4q.pdf
第72期有価証券報告書のURLは上記になります。
DMG森精機は国際競争で勝ち抜くため、研究開発による製品の差別化に取り組んでいます。
【研究開発活動】項に、DMG森精機による研究開発の概要が記載されていますので確認しておきましょう。
採用情報
インターンシップ優遇
あり
1day、2daysおよび5daysインターンシップが開催されています。
インターンシップの内容について、1dayはグループワークによる企業理解セミナー、5daysは現場での実習コースとなっています。
いずれも企業理解に大いに役立てることができるほか、本選考においても一次面接免除等の優遇を得ることができます。
2days日程は懇親会と工場見学を兼ねています。
わざわざ宿泊施設を提供してまで懇親会が設定されているため、ここでの選考要素が大きいかと思われます。
5daysインターンシップは給与が支給されます。そこからも学生にかける期待が推し量れますね。
関連記事インターンシップを内定に直結させるためのテクニック読む就職難易度
★★★☆☆(3/5)
B2Bオンリーの市場ですから、必然的に就活生からの知名度も低く比較的穴場と言えるでしょう。
採用人数は文理ともに約40名。
備考
選考フローは「人事社員」→「人事部長」→「社長」。
選考ステップが進むにつれて伊賀事業所見学などのイベントがあります。
ESが手書き方式であり面倒。
求められる人材は人事いわく「一緒に働いて気持ちのいい」人。
非常にざっくりとしていますが、人柄を重視した選考を行っていると言えそうです。
質問に対して素直な回答を心がける、面接時には気持ちのいい笑顔を心がけるなど、簡単なところで高得点を積み重ねましょう!
志望者が見ておくべきコンテンツ
「日本の工作機械、一体何がすごいのか?」
https://diamond.jp/articles/-/183101
日本と他国を対比して工作機械メーカーの特徴を知ることができる良記事です。
工作機械メーカー、特にDMG森精機は8割を海外で売り上げるなど世界で競争していくことが前提にありますから、必須知識と言えるでしょう。
森雅彦社長(DMG森精機)の常識は壊すためにある
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/15/051400034/102200022/
DMG森精機は一族経営の企業体制です。
したがって、そうした企業体制のもとGildemeisterとの業務・資本提携から子会社化に至るまでを成功させてきた現社長について理解を深めることが重要でしょう。
また選考対策という意味合いでも、最終面接での社長面談に備えて、こういった記事から社長の人となりを深く理解しておくと良いかと思われます。
年収など
従業員情報
- 従業員数:2418人
- 平均年齢:41.0歳
- 平均勤続年数:15.0年
- 平均年収:808.0万円
セグメント別従業員数
- マシンツール:1392人
- インダストリアル・サービス:607人
- 全社:419人
(第72期有価証券報告書より)
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