【22卒】安川電機の企業研究・選考対策

この記事について

世界的な産業用ロボットメーカーである安川電機に関する就活生向け情報ページです。同社の事業内容・強み・競合他社との比較分析・産業用ロボット業界および安川電機の将来性・研究開発・面接で聞かれる内容・インターンシップ情報などをすべて掲載しています。

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目次

企業情報

概要


安川電機は福岡県北九州市に本社を置く産業機器メーカーです。
安川電機という会社名を聞いたことがある大学生はほとんど居ないかもしれません。
しかし、同業他社のファナックならば、キーエンスと並んで日本屈指の高収益企業ですから知っている方も多いかと思います。
そう、安川電機もファナック同様、産業用ロボットなどを製造している会社です。
工場などで用いられるロボットを製造しており、ファクトリーオートメーション(FA、工場自動化)に役立てられています。
ファナックと同等の事業規模を誇るにも関わらず圧倒的に知名度が低い安川電機について、この記事を通して少しでも知って頂ければと思います!
もちろん、ファナックを志望している方にとっても競合企業である安川電機についての知識は必須です!

基本情報

社名株式会社安川電機
創業1915年7月16日
資本金306億円
売上高(連結)4109億57百万円
純利益(連結)78億78百万円
従業員数(連結)15179名

(2020年3月31日時点)

事業紹介

事業概況

安川電機のセグメント別売上高比率は上記画像のようになっています。
実は産業用ロボットよりモーションコントロール部門のほうが高い売上高を誇っています。
これが競合企業であるファナックとは異なる点です(「競合企業」の項目で詳しく説明します)。
特に売上比率の高いモーションコントロール部門およびロボット部門について、まずは事業分析情報を公開します。

モーションコントロール


モーションコントロール部門では、主にACサーボモーター・コントローラー、インバーターなどの商品を取り扱っています。

ACサーボモーター・コントローラー

サーボモーターとは、「常に同じ動作を正確に繰り返す」作業において用いられるモーターのことを指し、主に産業用途で用いられます。
特に、電子部品・半導体部品など、ナノスケールでの精度が求められる製品の生産機器(=工作機械)に用いられています。
安川電機のACサーボモーターは世界シェアのおよそ20%を占めており、ファナックと並んで世界トップに並んでいます。
特筆すべき点として、近年成長著しい中国にいち早く目を付け、早い時期から瀋陽市に生産拠点を立ち上げたことが挙げられます。
これにより中国での順調なシェア拡大に成功し、現在では同社のΣ-7シリーズが中国のACサーボモーター市場で8割のシェアを獲得しています。
国際ロボット連盟調べでは、中国のロボット市場の成長率は世界平均を未だ上回っており、今後も堅調な業績向上が見込めます。
また、2017年には世界初となるGaN(窒素ガリウム)パワー半導体を搭載したアンプ内蔵サーボモーターを発売しました。
GaN半導体は、従来のスタンダードであったSi半導体に比べ高温下での耐用性、高速スイッチング性能などの高効率性において優位性を持ち、従来製品・他社製品との明確な差別化要因を持っています。

インバーター

インバーターはモーターの回転数を制御する装置のことであり、エアコンやエレベータなどに利用されています。
また、モーターを必要以上に回転させないようにすることで省エネ効果が期待できるなど、工場設備においても生産コストを下げるために必要不可欠です。
安川電機製の一部インバーターには「YASUKAWA Drive Cloud」というクラウドサービスが用意されています。
これはインバーターとWebを繋ぎ、製品の高機能化に伴う設定やトラブルシューティングの煩雑化を解消するサービスです。
同社は世界初のトランジスタインバーターを製造したメーカーでもあり、業界内では古株です。
古株にも関わらず、モノのIoT化など時代の潮流に合わせた商品開発を行い、変わらず業界を先導している点に好感が持てますね。

ロボット


産業ロボットはFA用途で使用される機械のことを指しており、自動車やヘルスケアなど、様々な用途で活用されています。
大量消費社会化を迎え、産業ロボットの需要は増加の一途をたどっています。
市場の成長規模は平均年間14%とも言われており、2035年には10兆円市場になると予測されています(NEDO調べ)。
このような情勢下、安川電機のロボット部門について目を向けてみましょう。
安川電機の「MOTOMAN」シリーズは国内ではじめて製品化された全電気式産業用ロボットであり、現在でも高い支持を得ています。
特に自動車産業界における強固なシェアが特徴的であり、産業ロボット全体における世界シェアでも3位の座を死守しています。
尤も、産業ロボットは中国メーカーの台頭なくして語れません
中国国内における産業ロボット市場の成長速度は約20%と世界平均を大幅に上回っており、これを受けて中国から有力な産業ロボットメーカーが台頭しています。
一社はFII(Foxconn Industrial Internet、富士康工业互联网)です。母体のFoxconnは台湾企業ですが、FIIは深セン企業です。
もう一社は美的集団。もともと白物家電メーカーでしたが、2016年にドイツの産業ロボットメーカーであるKUKAを買収し、産業ロボット業界でも飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進しています。
このように中国メーカーの成長が著しいのは、中国政府は「中国製造2025」政策において産業ロボットを重点分野に指定しているからでしょう。
同政策では2025年までに「産業ロボットの自主ブランドの市場占有率70%」を目標に掲げており、これによって国内で力をつけた中国メーカーが国外でも台頭することが考えられます。
したがって、安川電機やファナックなど国内メーカーは、中国メーカーの成長を上回る速度で製品改良を強いられることになるでしょう。

安川電機の競合他社

安川電機の競合企業として、まず産業ロボット界に於ける四強のうち安川電機自身を除く次の3社が筆頭に挙げられます。

  • ABB(スイス)
  • ファナック(日本)
  • KUKA(ドイツ、中国・美的集団傘下

ここに、国内第三位の川崎重工業を含めた4社が安川電機の主な競合企業と言えるでしょう。
今回は、特にファナックを取り上げて事業比較を行いたいと思います。
業績についても次項で取り上げます。なお、この項目では企業分析の入り口として単年度比較のみを行っています。
志望度が高い場合は過年度比較も行い、長期的な分析を行うことをおすすめします。

海外展開比率

(以下のデータはすべてFY 2020のものを使用)
ファナックと安川電機の海外売上比率は上図のようになっています。
ファナックがおよそ77%を、安川電機はおよそ63%を海外売上が占めています。
「海外売上」という単一の指標からだけ見れば、ファナック・安川電機ともに売上の過半を海外で稼ぎ出しており、グローバル展開は好調と見ることができます。

注力市場という観点からも探ってみましょう。上図は同2社のエリア別売上高の比較表です。
(注:ファナックは「欧州等」に欧州以外を含まず、安川電機はアフリカ・中東などを含む。)
安川電機がファナックに売上で勝っているエリアは日本のみであり、やはり国内製造業におけるシェアが安川電機の強みであると言えそうです。
また、グラフには現れていませんが、安川電機の「アジア」地域における売上のうち約64%は中国が占めています。
(安川電機のアジア地域総売上123866百万円中79974百万円は中国)
したがって、これら2社を販売地域で差別化するならば、安川電機が「日本・中国」に、ファナックがそれ以外の地域に特化していると言えるでしょう。

売上構成

安川電機とファナックのセグメント別売上高比率を比較してみましょう。
安川電機はFA(モーションコントロール)が売上1位、ロボットは2位です。
それに対し、ファナックはFAは売上2位、ロボットが売上筆頭となっています。
事業内容が類似しているロボマシンと合算すると、実にファナックの売上の半分以上がロボット事業に依るものであり、安川電機とは性質を異にしていることがよく分かります。
また、単純な売上高だけで見ても、安川電機のFA部門はファナックのそれを上回っており、明確な安川電機の強みであると言えるでしょう。

安川電機の研究開発費用


中国をはじめとする国外メーカーとの国際競争においては技術開発は非常に重要な要素です。
この項目では、安川電機の直近6年間の研究開発費および売上高研究開発比率のグラフをもとに、安川電機の研究開発活動について分析します。
同社は例年200億円前後を研究開発に投じており、売上高に占めるその比率はおよそ4%強で推移しています。
同業他社と比較してみましょう。
ファナックの研究開発費は近年増加傾向にあり、FY 2015において183億円であった研究開発費は、FY 2019には561億円まで増加しました。
売上に占める研究開発費比率は2.52%から8.84%まで増加しており、同社の研究開発に対する意気込みが伺いしれます。
このようにファナックと比較した場合、安川電機の研究開発費用及び売上高比率は少し心許ありません。
しかし、重要なものは費用以上にその内容です。
有価証券報告書「研究開発活動」の項目に研究開発内容が記載されていますので、研究職を希望する方は確認しておくと良いでしょう。
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有価証券報告書を読んだことがない方向けに、有報の読み方を解説した記事を公開していますので、あわせて御覧ください。

安川電機の業績推移

安川・ファナックが提供する「産業用ロボット」は、「設備投資」のために購入される製品です。
景気が悪くなった際に企業が真っ先に削る投資は設備投資ですから、産業用ロボットを取り扱う同社の業績は非常に景気に左右されます
特にファナックの売上高の長さを見てもらえば、年度によって業績のばらつきが非常に大きいことが分かります。
特に、2018年ごろから米中貿易摩擦が世界的に取り沙汰されるようになり、それに伴ってファナックの売上は年を追うごとに縮小しています。
ここで一つ安川電機の強みとして取り上げたいのは、同業他社であるファナックに比べて事業の安定性が高いことです。
近年の経済失速に影響を受け、かつて40%を誇ったファナックの営業利益率は、直近で20%弱まで落ち込んでいます。
ファナックのそれが安川電機に比べて突出した数字であることには変わりありませんが、事業の安定性という観点から見ると今ひとつ感が否めません。
一方の安川電機は上下幅が小さく、堅実な事業展開が出来ているのではないかと思われます。

安川電機の将来性・今後

総合評価:極めて安定

ここまで見たように、安川電機は産業ロボット業界において国内のみならず世界規模において一定の地位を確立しています。
FIIや美的集団など中国メーカーの台頭も懸念されるところではありますが、現状の技術力は日系メーカーが圧倒している状態であり、キャッチアップされる見通しすら立っていません。
短期的な景気変動に業績が左右されることも既に述べたとおりですが、例年約50%前後の自己資本比率を維持しており、債務超過リスクは極めて低いかと思われます。

中期経営計画/求める人物像

安川電機は中期経営計画において、次の3つの方針を打ち出しています。

  1. i3-Mechatronicsによるビジネスモデル変革:従来のモノ販売に加え、コト販売(経営課題解決)を強化
  2. 拡大する”ロボティクス”ビジネスでの収益最大化:3Cを中心としたアジア市場における販売強化
  3. “選択と集中”によるリソース強化で新領域拡大:省エネや高効率をはじめとする応用領域の拡大、食品、バイオ・メディカルなど新領域の拡大

これらから、「顧客のニーズ(=経営課題)を的確に察知する感性」「未踏の分野(=新領域)に対するチャレンジ精神」「グローバルな挑戦を目指す人材(=海外販売強化)」あたりが、同社が特に求める人物像ではないかと思われます。
同社の採用FAQに「求める人物像」が掲載されており、だいたい上記と似たようなことが書いてありますので、確認しておくと良いでしょう。
安川電機 採用FAQ

本サイトでは中期経営計画から志望動機を考えることをオススメしています!
具体的な方法については、上の画像をクリック!

安川電機の選考情報

採用人数等

  • 文系:15名前後(採用実績:14~18名)
  • 理系:40名前後(採用実績:35~46名)

文系は学部卒がほとんどである一方、理系は1~2割が学部卒・残り8~9割が修士卒となっています。
3年以内離職率は例年ほぼ0%であり、高い就職満足度を誇っていることがわかります。

インターンシップ優遇

あり
文系・理系向けに1dayインターンシップが開催されているほか、理系向けに2weeksインターンシップが実施されています。
特に長期インターンシップでは、技術開発部門において実際の業務を体験するプログラムとなっており、業務適性を知る良い機会になるでしょう。
2020年度のエントリーは6/30までとなっているため、興味がある場合は早めに申し込んでおきましょう。
安川電機のインターンシップ募集要項
インターンシップはただ参加するだけでは何も得るものがありません。
目的意識を定めた上で参加することをオススメします。
また、当サイトではインターンシップで内定に近づくためのテクニック集を公開しています。あわせてどうぞ!
関連記事関連記事インターンシップを内定に直結させるためのテクニック読む

安川電機の選考フロー

ES・Webテスト→個人面接(2回)→内定

ES・Webテスト

ES

  • 研究テーマの概要とその内容
  • 志望動機
  • 周囲を巻き込んで成し遂げたこと
  • 今までで一番苦労したこと、それをどう乗り越えたか

安川電機のESは要求文字数が非常に多く、大半の設問で600文字程度記入する必要があります。
そのため、読み手が途中でダレないよう、文章構成に気を使いましょう。
Webテスト
安川電機のWebテスト形式は例年玉手箱が採用されています。
当サイトでは、玉手箱の練習問題を豊富に取り揃えています。
Webテストに自信がない方は練習問題で場数を踏んでおきましょう。
適性検査対策問題一覧

面接

  • 志望動機
  • 研究内容と深堀り
  • 安川電機でやってみたい仕事、将来実現したいこと
  • リーダーシップを発揮した経験
  • 学生時代に一番苦労したこと
  • 逆質問

比較的オーソドックスな質問が多いですが、研究に関する質問や、安川電機でどのように活躍したいか問う質問が多いです。
安川電機で働く自分像を、企業研究と自己分析を合体させることで作っておきましょう。
また、面接終了時に毎回逆質問の時間が用意されています。
安川電機における逆質問では、少し踏み込んだ質問をすることをオススメします。
詳細は下記の記事を御覧ください(少し一般的な内容ですので、各自で安川電機に読み替えてください)。
関連記事関連記事企業理解をアピールしつつ深化しよう!二次面接での逆質問構築メソッド読む

年収など

  • 従業員数:2916名
  • 平均年齢:41.9歳
  • 平均勤続年数:18.7年
  • 平均年間給与:818.7万円

セグメント別従業員数

  • モーションコントロール:742名
  • ロボット:675名
  • システムエンジニアリング:270名
  • 全社:1229名

第104期有価証券報告書より抜粋