【22卒】チタン素材で世界シェアトップ!大阪チタニウムテクノロジーズの企業研究・選考対策

この記事について

スポンジチタンで世界トップシェアを誇り、「グローバルニッチトップ企業100選」にも選定された大阪チタニウムテクノロジーズ(OTC)の就活生向け企業研究です。チタンって何?から、全世界のスポンジチタン生産量、競合他社である東邦チタニウムとの業績比較や将来性分析など、必ず知っておくべき情報をまとめました。

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目次

企業情報

概要

大阪チタニウムテクノロジーズ尼崎工場

大阪チタニウムテクノロジーズは、兵庫県に本社を置く非鉄金属メーカーです。
チタンおよびシリコン(ただしシリコン事業は撤退済)が主力商品であり、特にスポンジチタンでは世界最大のシェアを誇ります。

なお、社名に大阪と付いていますが本社は兵庫県尼崎市です。
ルーツは住友金属工業であり、現在でも日本製鉄が同社の筆頭株主となっています。

基本情報

社名大阪チタニウムテクノロジーズ株式会社
創業1958年11月26日
資本金87億39百万円
売上高(単体)381億89百万円
純利益(単体)7億26百万円
従業員数698名

(2020年3月31日時点)

企業研究

チタンについて

スポンジチタン(画像:東邦チタニウム)

チタンは、当初の用途であった航空機やロケットといった航空・宇宙産業分野から裾野を広げ、現在では海水淡水化プラント、化学プラント、自動車部品、医療機器など、非常に幅広い分野で用いられています。
鉄や銅など従来の金属に比べてチタンは軽量(軽い)、高耐食性(錆びない)、高比強度(強い)という3点のメリットを有しており、高耐久性を要する製品の素材として、今なお需要は増加傾向にあります。

大阪チタニウムテクノロジーズが製造する製品は、主に「スポンジチタン」「チタンインゴット」や、チタンを原料とする「高機能材料」に大別されます。
これらの製品は、展伸材メーカーや素材加工メーカーを経て、完成品メーカーで航空機やプラントなどの製造に用いられます。

スポンジチタンとは?

同社の主力製品は、チタン関連製品の中でも特に「スポンジチタン」というものです。

スポンジチタンとは、チタン原料から精製される中間生産物であり、最終製品の素材として加工する前段階の製品に該当します。
主に「クロール法」という工程で、天然ルチルやイルメナイトなどを原料に精製されます。
こうして製造されたスポンジチタンが、更にチタンインゴットなどに加工されることによって、最終的に先に述べたような産業に用いられています。

大阪チタニウムテクノロジーズのスポンジチタン製造量は年間約4万トンであり、世界首位級の生産量を誇っていることが分かります。
もっとも、COVID-19の影響から、チタンを大量に使用する航空機産業の景気失速は免れ得ないものと思われ、これから数年は同社の売上高にも影響を及ぼす可能性があります。

経産省「グローバルニッチトップ企業100選」選出(2020年)

経済産業省が定期的に発表している、「世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業」を表彰する「グローバルニッチトップ企業100選」の2020年版において、大阪チタニウムテクノロジーズが選定されています。

同賞の選定基準は「世界シェアと利益の両立」「技術の独自性と自立性」「サプライチェーン上の重要性」です。
すなわち、同賞にて表彰されることは、技術力に裏打ちされた高い世界シェアを活用し、収益化を実現できていることの裏付けとも言えるでしょう。

同賞を受賞している企業には、過去に当サイトでも紹介した高機能ICパッケージ部品を製造する「イビデン」や、人工腎臓で国内トップシェアを誇る「日機装」など、まさに「知る人ぞ知る」世界的に製品力を評価されている企業が名を連ねています。

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このことが、大阪チタニウムテクノロジーズの客観的な評価を示す1つの指標になるかと思います。

ポリシリコン事業からの撤退

同社は1960年から60年弱に渡ってポリシリコン事業を営んでいましたが、2019年1月に撤退を決定しています。
同事業はSUMCOとの長期売買契約に加え、半導体需要の拡大も追い風となって業績は好調でした。
しかし、需要と供給のバランス、品質要求の高度化に対応するための設備投資負荷、チタン事業の拡大基調などから、事業撤退を決定したとのことです(2018年11月28日プレスリリースより)。

2018年3月期におけるポリシリコン事業の売上高は106億円と全体の24.5%を占めるにも関わらず、営業利益は8400万円と全体の2.5%に過ぎないため、このような「薄利多売」の状況下においては一層の設備投資をするだけの価値を見込まれなかったようです。
とはいえ、資金力をチタン関連事業に集中投下するための判断であり、まさしく「選択と集中」の好例とも言えるような事業撤退です。

こうした思い切った決断を出来る企業は余り有りませんから、個人的には寧ろ高評価ですね。

競合企業

大阪チタニウムテクノロジーズの国内に置ける競合企業は「東邦チタニウム」であり、国内におけるチタン市場を二分しています。

また、海外に目を向けると、ロシアのVSMPO-AVISMA Corp.や中国の洛阳双瑞万基(Luoyang Shuangrui Wanji Titanium Industry Co.Ltd)などが挙げられます。
特に中国は、チタン原料であるイルメナイトに関して南アフリカに次ぐ生産国であり、複数社を合算したスポンジチタンの国内総生産量では日本を大きく上回ります。
チタン産業はドメスティックなものではありませんから、世界中の競合企業を相手取ってコスト競争を勝ち抜く必要があるでしょう。

業績推移・同業他社との比較

大阪チタニウムテクノロジーズの業績推移について、同業他社との比較を交えつつ解説します。
同社への応募を検討している方は国内での就職を前提としているでしょうから、今回は特に「東邦チタニウム」との比較を行います。

業績

まずは売上高を見てみましょう。2社の売上高は例年、ほぼ均衡状態にあります。
これは、次の図から読み取れるように、東邦チタニウムの高機能材料事業が好調であることが主だった理由でしょう。

チタン事業単体での売上高比較では大阪チタニウムテクノロジーズに軍配が上がりますが、高機能材料事業は東邦チタニウムが2,3歩先を行っており、その差は8.4倍にも上ります。
上図は単年度比較ですが、少なくとも直近数年間においては同傾向が続いており、大阪チタニウムテクノロジーズにおいては高機能材料事業の増強が必要かと思われます。

次いで、売上高から売上原価や販管費などを差し引いた金額を示す営業利益と、売上高に占める営業利益の割合を示す営業利益率をグラフにまとめました。
こちらに関しても、全体的に東邦チタニウムが優勢ですね。

東邦チタニウムの営業利益率は10%前後で推移しており、他業界と比較しても高水準にあります。
大阪チタニウムテクノロジーズの営業利益率は4%前後で推移しており、全産業で見れば平均水準にあります。
とはいえ、東邦チタニウムに比べると見劣りするのは間違いありません。

参考までに、FY 2020の東邦チタニウムの高機能材料事業の営業利益率は17%、金属チタン事業の営業利益率は8%と、やはり高機能材料事業に底上げされています。
やはり、高付加価値・高利益率を誇る高機能材料事業で大差を付けられていることが痛手ですね。

販売エリア

大阪チタニウムテクノロジーズと東邦チタニウムの直近のエリア別売上高比率は上図のようになっています。
両社とも国内における売上高が過半を占め、北米エリアがそれに次ぐ形となっています。

このように、単純な海外売上比率を見れば大阪チタニウムテクノロジーズに軍配が上がります。
とはいえ、日本および米国の2カ国に過集中しているため、地政学リスクや災害リスクなどの観点からは少々不安が残る結果となっています。

将来性分析

ここまでの業績分析で見たとおり、大阪チタニウムテクノロジーズはチタン事業に強みを持ち、同業他社の東邦チタニウムを凌ぎ世界シェア1位となっています。
しかし、世界的にチタンは需給が釣り合っていない現場にあり、「チタン余り」が発生している状況です。
そのため、供給過多の中コスト競争を強いられる構造となっており、事業としての旨味がかつて程では無くなりつつあります。

この点、高機能材料に舵取りを行っている東邦チタニウムの業績がOTCに比べ良好であることからも分かるように、今後はチタン事業のみならず、周辺事業の増強が求められることでしょう。
また、チタンのみならず鉄鋼や非鉄といった金属産業は景気に敏感に左右される特性を持っています。
そのため、景気悪化時は辛酸を嘗めるような事態になることも想像されます。
幸いながら、大阪チタニウムテクノロジーズは自己資本比率40%前後を維持しており、2020年3月期には45%をマークしています。
財務健全性指標としての自己資本比率の閾値は40%程度が相場ですから、多少の不景気を耐え凌げる程度の水準はクリアしていると言えるでしょう。

ポリシリコン事業撤退に見られるように大阪チタニウムテクノロジーズは事業構造の改革に乗り出しているさなかであり、同社の今後が左右される状況下にあると言っても良いでしょう。
東邦チタニウムと対比して見劣りするように感じる点もありますが、チタンという一大素材で世界トップシェアを誇る企業であることは確かです。
コスト競争次第ではありますが、少なくとも2~30年単位で潰れるような心配は不要でしょう。

選考対策

志望動機は中期経営計画から逆算して立てると、「その会社が目指すポイント」と「そこに到達するために活かせるあなた自身の強み」をマッチさせることが容易であり、オススメです。
方法論についての詳細は以下の記事に記載してありますので、読むことをオススメします。

関連記事関連記事「志望動機」は中長期経営計画から逆算しよう読む

大阪チタニウムテクノロジーズの中期経営計画はこちらのページ最下部から閲覧することができます。
読むのが面倒臭い!という方のために、簡単に要点を記載しておきます(以下の内容は2018~2020年度の3カ年計画です)。

  • チタン需要の着実な捕捉と、高機能材料事業の拡大が成長戦略の柱である
  • チタン事業の対応策:①主要顧客とのパートナーシップ強化②コスト削減・生産効率の向上③研究開発や生産プロセスの高度化
  • 高機能材料事業の対応策:①顧客対応力強化、新規需要の開拓、技術営業力の強化②チタン合金粉末の事業化推進
  • 全社的な対応策:①RPAなど間接部門の業務効率化②人材育成③AI等先端技術導入や生産プロセス技術高度化などの技術開発④安価原料の活用技術開発、調達先の拡大

就活生に関係ないところもあれば、関係するところもあるので、自身のガクチカと少しでも共通項のありそうなところをくり抜いて利用すると良いでしょう。