適性検査TALとは?高評価を得るための回答方法

この記事について

数ある適性検査の中でも群を抜いて「意味不明」との呼び声高いTAL。年々実施企業も増え、その存在は無視できなくなりつつあります。本記事では、TALの通過率、実施意図、実施企業、通過のコツをお伝えしています。

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目次

はじめに

就職活動を通して使用されている適性検査は数あれど、その中で最も対策が難しい適性試験は「TAL」ではないでしょうか。
TALは通常の性格診断と異なり、「どこを見て何を評価しているのか分かりづらい」ため、非常に対策が難しい試験となっています。

本記事では、TALを実施する企業の目的と、TALを突破する方法をご紹介します。

適性検査TALとは?

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉もありますから、まずは「TAL」とは何か、ということについて知りましょう。

概要

TALは、Vivid Japan Co,Ltd.が提供している適性検査サービスです。
故意に質問の意図を想像することが困難な出題形式を採用することで「対策が出来ない」ことを売りにしています。

TALの特徴として、「優れた人材」を選び出すのではなく「採用リスクのある人材」をスクリーニングするための試験である点が挙げられます。

ここでいう採用リスクには、次のような事柄が含まれています。

  • メンタル疾患をわずらう恐れがある(うつ病、適応障害など)
  • ストレス耐性が極度に低い、または高い
  • 情報を漏洩するリスクがある
  • 採用しても、すぐ離職してしまう

だいたいは想像通りかと思いますが、一点注目しておきたいのは「ストレス耐性が高すぎてもダメ」という点です。
両極端ではなく中庸な人物を欲する企業、または業界において採用傾向が高いことの証左でしょう。

こうしたリスクを抱えた人材は、Vivid Japanによれば平均14%出現するようです。
すなわち、基本的にはTALそのものの通過率は86%と言って良いのではないでしょうか。
(採用企業により閾値の設定は異なるため、一概にそうとは言い切れませんが…。)

あなたの「採用リスク」について確認しよう

TALは、人材の「採用リスク」を考慮した適性検査であることは既に述べたとおりです。
採用リスクとは、企業の信用・信頼を失墜させるようなインシデントを起こす危険性のことを指しています。
学生の立場では「信用を失くすようなインシデントって何?」という認識かもしれませんが、代表的なところでは情報漏えいやハラスメントなど、コンプライアンスやパーソナリティに問題のある人物を採用することがリスクたりえます。

学生時分の行動から採用リスクを判断することは難しいことではありますが、当サイトでは「SNSの使い方」からご自身の採用リスクを見直すためのコラムを執筆しています。
ぜひ下の記事も併せて読みながら、ご自身の日頃の行動が「採用リスク」たり得ていないか確認してみてください。

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採用企業

 

TALを採用する企業は年を追うごとに増加しています。
代表的な企業を列挙すると、次のようになります。

  • NTTデータ
  • NTTドコモ
  • 野村不動産
  • 小田急電鉄
  • ブラザー工業

NTT系列の中核企業が多く採用しています(コミュニケーションズは採用していません)。

試験内容

TALは2つのテストから構成される適性検査です。

まずは概要だけ見てみましょう。

テスト1

所要時間:15分 / 全36問

「手に持っていいと思うものを2つ選べ」といった問題が代表的な、文章題形式の心理テストです。
チェック式の回答形式であり、どうしても2つ選べない場合は1つでも構わないという、自由度の高い試験になっています。

テスト2

所要時間:5分 / 全1問

「入社後に活躍している私」を図形を配置して表現するという、何とも意味不明なテストです。

18個の図形から10~15個の図形を選び、それぞれを好きな場所に配置します。
図形は好きな場所に配置することができ、回転させることができます。

一度配置してしまうと、二度と動かすことはできません。

適性検査TALの対策

TALには明確な答えがありません
なぜなら、統計学的に不適格度合いを算出する試験であり、正答も統計学的に定まるからです。
論理的に正しいから正答、といった試験ではありません。

ただし、「TALの段階で落ちないようにする」という観点では対策は可能です。
先に述べたように、TALは7人に1人存在する致命的にヤバイ人材を落とすための試験ですから、悪目立ちしないような回答を心がければよいのです。

テスト1とテスト2について、それぞれ対策を見てみましょう。

テスト1

たとえば、先に挙げた「手に持って良いもの」の問題を見てみましょう。

「あなたが手に持ってもいい卵を2つ選んでください。」
1.殻を剥いていないゆで卵 2.殻をむいたゆで卵 3.殻をむいて切ってあるゆで卵 4.殻をむいて切ってお皿に盛ってあるゆで卵 5.生卵 6.模型の卵 7.うずらの卵

何度も申し上げましたが、これは「7人に1人の割合で存在する不適格人材」を落とす試験です。
そして、選択肢は7つ。
つまり、7つの選択肢のうち1つが最も不適格人材が選ぶ可能性の高い選択肢となります。

この中から最も「普通の人間が選びそうな選択肢」が何かを考え、選んでください。
この問題で言えば「模型の卵」以外は大差なさそうです…。

卵の問題は有名になるだけあって非常に正答が分かりづらいです。
一方で、「約束を破られたらあなたはどう思うか?」など素直に答えを導き出せるような問題も勿論あります
寧ろ、出題数で言えばこうした「良心」を測るようなオーソドックスな質問のほうが多いです。

「TAL=意味不明なテスト」という図式が先行しすぎているかもしれませんね。

気負わず受けるのが一番の対策でしょう!

テスト2

(上の画像は再現図です)

18個中10個以上15個以下の図形を使い、「入社後に活躍する私」(これは共通かと思われます)を表現するテストです。
おそらく、これも統計学的に「マトモな人間が配置した図との類似度」を図っているのではないかと推測します。

傾向的にどのような回答が多いのか、ということは試験実施会社のみぞ知ることなので、完全無欠な攻略法は存在しないでしょう。

強いて言えば、「入社後に活躍する私」というお題なので暖色系(赤、黄色など)のアイテムをふんだんに使うことが考えられるでしょうか。
ハートは一見良さそうですが、寒色で冷たいイメージを与えるので罠な気もするんですよね…。

とまあ、このようにアイテムに受ける印象は十人十色だと思うので、改めて「攻略法は制作会社のみぞ知る」ことをお伝えしておきます。

「明確な答えがない」適性検査の本質

当サイトの見解をお話ししましょう。
TALのような「明確な答えがない」と銘打つ適性検査は、学生に「諦める理由」を与えることが1つの目的として用意されているフシがあると思われます。
例えば面接だけで入社試験に落選した場合、会社や社員の判断であなたが拒絶されたことが明らかです。しかし、適性検査を挟むことで、仮に落選したとしてもシステマチックな仕組みによるところが大きく、心理的に落選の矛先が会社に向きづらくなります

人はどこでどのようにつながっているか分かりませんから、会社に悪い心象を持たせず応募者を足切りするために適性検査を用意することは合理的な投資と言えるでしょう。

ここで私が言いたいのは、適性検査の対策に本腰を入れて取り組むより、まずは面接対策やエントリーシート対策、インターンシップに本気を入れて取り組むことこそが肝要だということです。
本サイトでは、面接やエントリーシートの対策についてコツを織り交ぜた記事を多数公開しています。
以下に代表的なものをご紹介します。

“会社に求められる”志望動機を練る

当然ながら、世の中のあらゆる会社は方針を持った上で動いています
あなたの「志望動機」「入社してからやりたいこと」が会社の方針と逸れたものであれば、いかにそれが優れたものであっても入社はできません(会社からすれば、起業して勝手に実現してください、といった気持ちになるでしょう)。

特定企業に入社を目指す上では、会社の「方針」を知ることこそが肝要であり、その「方針」は中長期経営計画に記されています。
下記記事では、会社の「方針」を知り、そこから志望動機を逆算する方法をご紹介しています。

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インターンシップでデキる学生と思われること

「インターンシップが内定と関係ない」…これはオレオレ詐欺以上に信用してはならない言葉です。
1円でも費用を掛けた以上投資対効果を求められるのが企業活動であり、インターンシップの投資対効果とは即ち優秀な人材の確保です。
これすなわち、インターンシップで「優秀な人材」と思われることで内定に確実に近づけるということです。

下記記事では、インターンシップを内定に直結させるためのテクニックを多数ご紹介しています。是非御覧ください。

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グループワークの本番はグループワークではない

グループワークとは、あなたがどのように他人と関わるか、どのように他人とチームプレイをするか、を見ている試験です。
ご存知のようにチームプレイをする上では、他人の特徴や性格を把握することこそが必要不可欠であり、そのためには「グループワーク前の下準備」こそが大切です。

下の記事では、「グループワーク前に人間関係を形成することの重要性」をご紹介しています。
グループワークが選考過程で課される企業を受験される方はぜひ御覧ください。

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企業研究、できてますか

敵を知り己を知れば百戦殆うからず。
自己分析も重要ですが、それ以上に敵(会社)を知ることも同じように重要です。

当サイトでは、代表的な優良企業について、ファンダメンタルズに基づいた企業研究記事を多数公開しています。
あなたの志望する企業について、新たな発見があるかもしれません。また、今まで知らなかった優良企業を発見することもできるかと思います。ぜひ一度お読みください。

企業研究を探す

また、企業研究リクエストも受け付けています。

おわりに

脳科学や統計学を隠れ蓑にした適性検査って胡散臭すぎますね。
もはやオカルトです。

しかし、志望する会社にTAL受験を課された場合はそんな愚痴も言ってられず、恙無く乗り越える必要があります。
運が悪かったと思って、「悪目立ちしない」ことを念頭に置いた回答を心がけましょう。

何度も申し上げますが、TALで異常ありと判断されるのは約7人に1人です。
自分に自身を持って回答していきましょう!