神戸製鋼所(KOBELCO)の選考対策情報

この記事について

株式会社神戸製鋼所(KOBELCO)の新卒向け企業研究情報です。事業内容から就職難易度、インターン・選考情報、企業の今後の展望に至るまでを網羅してご紹介。

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目次

このページに記載の内容は2021年卒時点の情報を基にしています。

最新の情報とは異なる場合がありますので、必ず企業ホームページ等をご確認ください。

企業概要

鉄鋼業界3位、神戸財界で存在感強し

神戸製鋼所は、兵庫県神戸市中央区に本社をおく大手鉄鋼メーカーです。
日本製鉄、JFEスチールに次業界3位の規模を誇ります。
世界的な生産量で見ると、日本製鉄が世界2位、JFEスチールが世界9位であるのに対し、神戸製鋼所は50位以下と生産規模で大きな差がついています。

神戸製鋼所は神戸商工会議所の会頭の歴代輩出数が多く、地元経済界では発言力の強い企業かと思われます。
また、ラグビーチーム「コベルコスティーラーズ」を所有しているため、一般からの知名度も高い企業と言えるでしょう。

日本の鉄鋼業自体が落ち目

上グラフは「World Steel in Figures 2019」より、国家別鉄鋼生産量のランキングになります。
中国の生産規模が圧倒的なこと、日本は世界3位の生産規模であることが分かりますね。

2015年時点では日本は3位と3000万トン以上の差を付けて世界2位の生産量を誇っていたため、中国以外の国家(特にインド)の台頭が激しいものと分析できます。

鉄鋼は現在、世界的に見て供給が需要を上回る状態が続いており、たとえば国内2位のJFEスチールは(コロナウイルスの影響もありますが)保有高炉の稼働休止を決定しています。
神戸製鋼所を含む鉄鋼業界全体で、今後企業再編の流れが加速する可能性も十分あります。

また、今まで鉄鋼の売上に大きく寄与していた自動車産業においても軽量化(アルミ等で代替)が進み、これまでの需要量が期待できなくなりました。
これまで企業再編に飲まれることのなかった神戸製鋼も今後はどうなることやら…。

ちなみに鉄鋼業界世界1位はルクセンブルクに本社を構える「アルセロール・ミッタル」社です。
国内1位・世界3位である日本製鐵の2倍以上の生産量を誇ることから、鉄鋼生産量上位の企業間でも大きな隔たりがあることが分かります。

参考:
World Steel in Figures 2019および同資料2015年度版
鉄鋼業界、需要減少に感染拡大が追い打ち JFE高炉休止 ー産経新聞2020年3月27日

鉄以外の事業

神戸製鋼所のセグメント別売上高は上図のようになっています。
本業である鉄鋼分野が4割を占めていますが、「アルミ・銅」「建設機械」分野のシェアが大きいことも分かります。

この項では鉄鋼以外の事業分野について触れていきます。

アルミ・銅

神戸製鋼所においては、「アルミ・銅」が売上高に占める割合が高くなっています。

しかし、2017年10月にはデータ改ざんが常態化していたことが発覚し、業界に激震が走りました。
19年度決算においては赤字幅が15億円から250億円に拡大するなど危機的状況にあり、速やかな立て直しが求められます。

とはいえ、先程も述べたように自動車の軽量化ニーズが強いためアルミの需要量は増加すると思われます。
いかに信頼回復し受注を回復するかが勝負の分かれ目と言えそうですね。

参考:
神戸製鋼、脱・鉄鋼依存めざすワケ アルミへ積極投資
「信頼回復へ全力で取り組む」 神鋼、株主総会で謝罪

電力

神戸製鋼所は神戸発電所・真岡発電所の2つの火力発電所を保有しており、電力卸売事業も行っています。
このような事業の多角化が鉄鋼上位2社と差別化できる神戸製鋼所の強みと言えるのでは無いでしょうか。

真岡発電所は2019年10月から順次稼働予定、生産した電力は全て東京ガスに販売します。
神戸製鋼所の事業セグメントのなかで最も注目できる、まさに成長分野でしょう。

参考:
株式会社コベルコパワー真岡 真岡発電所2号機の営業運転開始について(プレスリリース、2020年3月2日)

建設機械

ショベルカーやクレーン、解体専用機などの事業を、関連会社であるコベルコ建機が担っています。
関連会社なので軽い説明に留めますが、たとえば油圧ショベル市場においては「コマツ」「日立建機」「キャタピラー」に次いで業界3位、およそ14%のシェアを誇ります。

こちらも安定して収益を見込むことができるでしょう。

企業方針

https://www.kobelco.co.jp/releases/files/20190515_1_01.pdf

「中期経営計画ローリング」が公表されています(上は2019~2020年度版)。

やはり再三に渡り不祥事を起こしてきた企業ですから、「信頼回復」が非常に重要視されています。
また、業界の先行きが不透明ですから、経営の効率化や多角的な収益力の強化に取り組む方針が挙げられています。

チェックしておきましょう。

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採用情報

インターンシップ優遇

あり

文系向けには1dayインターンシップが用意されています。
こちらの優遇措置については不明ですが、社員座談会などのプログラムが用意されているため、企業理解の側面で非参加者に差をつけることは十分可能でしょう。

理系向けには2daysおよび2weeksインターンシップが用意されています。
複数日程インターンシップ参加者限定のセミナーやイベントが用意されており、少しでも志望度が高いならば必ず参加しておくべきインターンシップでしょう。

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その他優遇

なし

就職難易度

★★★☆☆(3/5)

神戸市や周辺地域においてはブランド力の強い企業ですから、地元学生からの人気が高いことが推測されます。

一方で鉄鋼業界自体の先行きが怪しいこと・データ改ざんを複数に渡り起こしていることから企業の信用が落ちています
また、年間100名を超える採用を行っており幅広い採用が見込まれます。

志望者が見ておくべきコンテンツ

電炉と高炉の違い

「環境に優しいのは高炉?電炉? 鉄鋼業界、CO2算出巡り苦悩」日本経済新聞(2013/11/19)

鋼材の生産方法は「高炉」と「電炉」の2種類が存在します。

高炉は高品質な製品を作れる一方、設備コストは高く、CO2排出量も多いため環境配慮が叫ばれる現代においては肩身が狭い製造方法です。
一方で、電炉は製品の品質での差別化が難しい一方、高炉に比べ設備コストが低い上CO2排出量は相対的に少ないと言えます。

先に述べたように鉄鋼業界では中国企業をはじめ国際競争を強いられますから、品質で差を付ける必要があります。
神戸製鋼所は高炉を保有していますが、上記のような側面があることを踏まえて高炉と電炉の違いについて説明できるようにしておくと良いですね。

鉄鋼の使用用途

OECD資料から、分野別鉄鋼消費量を円グラフで表したものになります。

グラフを見ていただければ分かる通り、建設業における使用が半分を占めています。
記事中ではここまで製品差別化の必要性を語りましたが、自動車等、高い性能が求められる分野の割合は実は低く、大半の利用用途においてはそうした技術力が求められません。
神戸製鋼所含む日本の鉄鋼業が今後どういった方針で進むべきか、自分なりの意見を持っておいたほうが良いかもしれませんね。

参考:
Perspectives on steel by steel-using industries – OECD

年収など

従業員情報

  • 従業員数:11401人
  • 平均年齢:39歳
  • 平均勤続年数:15.9年
  • 平均年収:569.9万円

*平均年間給与に管理職が含まれていないため、大卒総合職の平均年収はもう少し高いことが予測されます

セグメント別従業員数

  • 鉄鋼:10887人
  • 溶接:2560人
  • アルミ・銅:7550人
  • 機械:4094人
  • エンジニアリング:3523人
  • 建設機械:7487人
  • 電力:244人
  • その他:1643人
  • 全社:1353人

第166期有価証券報告書より)

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