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目次
インターネットを正しく使えていますか
今や、高校生・大学生はおろか、小学生や中学生までもがスマホを買い与えられ、自由に情報発信できる時代になりました。
メディアプラットフォームで活躍する人々のことを、サービス名をもじった固有名詞である「TikToker」や「YouTuber」とも呼称し、後者「YouTuber」はオックスフォード英語辞典にも記載されるほど世間で認知されています。
そうしたプラットフォームでの情報発信は上手くやればマネタイズが可能ですが、その一方で、一度失敗をしてしまえば「デジタルタトゥー」となり、一生消えない傷を残します。
民間企業や公務員等、雇われとして働くことを検討している方は、デジタルタトゥーが1つ有るだけで忽ちマトモな就職が困難になります。
また、今現在問題が表面化しておらずとも、潜在的なリスクを抱えている可能性もあります。
今回の記事では、採用リスクとして問題となる点を示した上で、具体例を挙げながらあなたのネット利用健全度をチェックしてみましょう。
2つの採用リスク
写真:CNN.co.jp
あなたが危機感を持たずインターネットを利用していることは、就職するに当たって次の2つの側面から危険をもたらします。
1つめに「炎上リスク」2つめに「社内情報を漏洩するリスク」です。
それぞれについて、詳しくご説明します。
炎上リスク
あなた個人が発信している情報に問題があった場合、その所属組織・機関に飛び火する危険性が有ります。
ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーとは異なりますが、義憤と群集心理に駆られたインターネットユーザーは叩けるものは何でも叩きます。その結果、あなた個人のみならず、あなたの周囲の人々、そしてあなたが所属する組織が攻撃されます。
過去の炎上事例を少し検索してみれば、必ずやそうなることが分かるでしょう。
あなたを採用することにより将来的に炎上のやり玉に挙げられる危険性がある場合、たとえどれ程優秀な人材であろうとも企業があなたを採用する積極的な理由はありません。
社内情報の漏洩リスク
あなたが自分自身のことをペラペラとネット上に書き綴る人種である場合、その延長として社内の情報を公開する危険がある人物と判断される可能性が高いです。
自分のことをネットに書き殴るということは自己承認欲求・自己顕示欲求があるからこその行動ですが、社外秘の情報を公開することで斯の欲求を満たされては、企業にとって堪ったものではありません。
つまり…
これら2つについて、それらが現実となるか否かは関係ありません。
「疑わしきは罰せよ」であり、リスクのある人間は企業にとって取らぬが仏なのです。
雇われで働くということは、そういうことであると認識する必要があります。
こんなことをしていませんか?
学生時代(つまり今現在です)次のようなことをしている方は、この次のセクションから記載する「採用リスク度」診断に鑑み、高い採用リスクを抱えていると言わざるを得ません。
- TwitterやInstagramなどのSNSのプロフィールに所属する大学名・サークル名を記載している
- 友達と遊びに行った際の写真や飲み会の写真をSNSに投稿している
- SNSアカウントを公開状態で運用しており、近所の写真などをアップロードしている
これらはあくまで「採用リスク」を分かりやすくご説明するための一例ですから、これらに該当しないからといって安心はできないことにご留意ください。
採用リスク診断
このセクションでは、採用リスクたりえる要素を提示します。
より分かりやすいように、危険度を1から5でランク付けしました。数字が高いほど、危険性が高いと考えてください。
危険度5:問答無用でヤバい
公開SNSアカウントで人の悪口を書いている
驚くべきことに、素性が分かるSNSアカウントで友人・知人・他人の悪口を書く人間は実在します。
コンビニ店員の態度が悪かった、あそこの美容院は腕前が悪い、あの授業の講師は講義が下手くそ、など。
就職活動以前に、思いがけないところで人と人の繋がりがあったりしますから滅多なことを書くべきではありません。
また、何気ない写真一枚で身元が特定された事例も存在します。
素性が分からないよう運用しているつもりでも、暇な人の手にかかればあなたの個人情報はすぐ暴かれることでしょう。
普段使いのメールアドレスでググると掲示板の投稿が出てくる
メールアドレスを掲示板などで公開する人、こちらも不思議なことに実在します。
匿名掲示板を利用しているという客観的事実が存在している時点で問答無用でヤバい人材です。
匿名掲示板は以前に比べればアンダーグラウンド要素が薄れてきましたが、今も昔もタン壺です。
利用していることを人に悟られて良い代物ではありません。
SNSで「2ch迷言集」などRTしている人は、痰壺を覗くのが趣味です!と公言しているに他ならないことを自覚すべきです。
危険度4:かなりヤバい
屋内の写真や近所の写真をアップロードしている
屋内の写真をアップロードすることであなたの私生活が赤裸々になる上、近所の写真をアップロードすることであなたの生活圏が暴かれます。
また、写真にEXIF情報(撮影条件や位置情報などを記録した文字列)が残ったままの場合、あなたがどんなスマートフォンを使っていて、どこで写真を撮ったのか、ということが一瞬でバレます。
Twitter、Instagram、Facebookといった主要SNSではEXIF情報は自動で削除されるようですが、最初に述べたように、写真はあなたに関する無数の情報を含有しています。
特に意味もない写真を、承認欲求に身を任せて投稿すべきではありません。
本名でググると、コメントを残したYouTubeの動画が出てくる
YouTubeの表示名を変更していない場合、本名がコメント投稿者名に用いられます。
その結果、あなたの名前で検索すると、コメントを残したYouTubeの動画が検索結果に表示される場合があります。
これが意味することは、あなたがどんな動画を好んで視聴し、どんなコメントを残しているかということが赤裸々に分かるということです。
現実で繋がりのある人の目を気にして投稿するSNSと異なり、タガが外れた発言をしている場合もあります。
意外なところに危険が潜んでいることは認識したほうが良いでしょう。
危険度3:同僚はおろか、取引先にすら居てほしくない人材
FacebookやInstagramのプロフィールが公開状態
そもそも我が国は未だ欧米ほどプライバシーに関して鷹揚ではないため、Facebookが文化的にそぐわないのではないかという懸念を私は抱いていますが、それはそれとしておきましょう。
FacebookやInstagramをはじめ、あらゆるSNSは投稿や友人リストを非公開にする機能が備わっています。
こうした機能を使用せず、いたずらにあなたの私生活や友人関係を白日の下に晒すことは、どうぞネットストーカーしてくださいと言っているようなものです。
普段使いのメールアドレスと就職活動用のメールアドレスが一緒
種々のリスク回避のためにも、メールアドレスは用途ごとに用意するべきです。
危険度5で「メールアドレスでググると情報がヒットする」人材について言及しましたが、普段からメールアドレスを分けておけば有事に備えることが出来ます。
逆に言えば、メールアドレスを一元化している人はそうしたリスクにすら気がつけないのだと受け止められる可能性があります。
仕事と私用で同じPC・SNSアカウント・メールアドレス等を用いることをシャドーITと言い、企業の重大なセキュリティリスクの1つに挙げられます。
学生のうちから、こうしたリスクが存在することは把握しておくべきでしょう。
危険度2:同僚に居てほしくない人材
SNSで友人・知人があなたについて言及した投稿がヒットする
昨今のSNSでは、その場にいた友人を投稿に関連付けたりする機能が充実しています。
私生活やマウンティングにおいては非常に便利な機能かもしれませんが、この機能は非常に危険です。
先にも述べたように、ネット炎上は「延焼」が避けられません。
あなたの友人が炎上した際、その友人だけでなくあなた、そしてあなたの所属組織も攻撃対象になることを意味します。
TPOをわきまえられない
卑近な例で言えば、面接時の逆質問で福利厚生について聞くことはTPOに反していると言われがちです。
その他にも政治的主張など、センシティブな話題はインターネットに限らずTPOを弁えるべきでしょう。
たまに居るんですよね、自分が話したい話題を自分が話したいタイミングで話さないと気がすまない人。
そうした人物は例外なく自己承認欲求が強く、自分語りが止まりません。すなわち、情報漏洩の時限爆弾です。
自分がそのタイプでないか、今一度確認することをオススメします。
SNSプロフィールの名前・アイコンが趣味全開
TPOに関連しますが、これは「インターネット上の行動はどこで誰が見ているか分からない」ということを著しく無視した行動にほかなりません。
意外な落とし穴として、GmailでもYouTubeと同じプロフィール画像が使われるため、GmailとYouTubeを同じアカウントで運用している場合あなたの趣味嗜好が赤裸々になる可能性があります。
危険度3の「普段使い・就職活動用メールアドレスが同じ」とコンボが決まった場合、最悪な結果をもたらすことは容易に想像できるでしょう。
誤送信リスクも考えれば、適当な文字列や無難な風景写真など、他人に見られても恥ずかしくないプロフィールをオススメします。
危険度1:ヤバい人材の卵
公開SNSをやっている
公開SNSをやっている時点でヤバい人材予備軍であることは疑いようがありません。
自由には責任が伴うものです。自由にインターネット上で情報発信するという行為には、それ相応の責任がついて回ります。
デジタルネイティブ世代には、あまりにもその感覚が欠如しているように思われます。
LINEのように検索結果に出てこないSNSであればまだマシですが、Twitter、Facebook、Instagramのように不特定多数に投稿が公開されるSNSは、その危険性とユーザーの認識の乖離があり過ぎるように思えてなりません。
もちろん時代の趨勢により仕方がない側面もありますが、自衛手段は可能な限り講じるべきでしょう。
企業も採用リスクを重視
たとえば適性検査の1つであるTALでは、上記のような「情報リテラシーの欠如」を検知することが可能です。
常識的な企業では、こうした検査ツールを用いることによって採用リスクを把握することに努めています。
インターネットと企業活動は切っても切れない関係にありますが、一方で大きなリスクを孕んでいます。
これほどまでに諸刃の剣と形容すべきツールは、インターネットの他にはそうそう有りません。
したがって、企業はあなたの「デジタルタトゥー」を何より気にします。
Google検索した結果、不穏な検索結果がリストアップされたり、あなたの私的生活が赤裸々になっていた場合、あなたの就職が成就する可能性は限りなく低くなるでしょう。
今日から出来る、リスク低減
ここまで、就職活動におけるインターネット関連の採用リスクについてご紹介してきました。
あなた自身が就職活動するに当たって、デジタルタトゥーを残さない為に今日から出来ることを幾つかご紹介します。
SNSの非公開設定
ベランダから撮影した写真1枚で身元が特定されるような時代に生きている以上、SNSを公開状態で活用することは正気の沙汰ではありません。
どうしてもSNSをする場合は、必ず非公開設定をした上で使用しましょう。
たとえば、Facebookでは「友達リクエストを送信できる人」「検索エンジンへのインデックス許可」など細かく公開設定を変更できます。
これらを全て最も厳しい設定にすることで、少しは安全にアカウントを運用することが可能でしょう。
SNSの友人関係の選別
あなたがアカウントを非公開にしたとて、内部リークされては全く意味がありません。
公開範囲を旧知の友人などに限定した上でアカウントを運用することをオススメします。
公開SNSを辞める
思い切ってSNSを辞めては如何でしょうか。
ハッキリ言ってSNSでの投稿や交友関係には何の意味もありません。
通知音に囚われることのない生活は気楽ですし、思ったより不便では有りません。
採用リスクに怯えることなく、また、充実な生活を送るためにも、早々にSNSを卒業することを強くオススメします。