【22卒】首都高速道路の企業研究・選考対策 | 世界最大のメガシティ、東京の物流と人流を支える

この記事について

首都圏でインフラ業界への就職を目指すならば一度は検討するであろう企業「首都高速道路」について、就活生向けに企業概要や業績推移をお伝えします。

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目次

企業情報

概要

2005年、道路公団民営化によって誕生した高速道路業界。
そのなかの一社であり、主に東京都内の高速道路(首都高速)を管理する事業者が首都高速道路株式会社です。

都市圏人口3000万人を抱え世界でも指折りの大都市である首都圏において、首都高速道路は日々の物流や人の移動を影から支える企業であり、その社会的重要性から強いやりがいをもって働くことができる上、事業の安定性も高いことから、就活生からの人気も高い企業の1つです。
本日は首都高速道路を志望する学生にむけて、選考対策に役立つ企業研究や面接・ESで使えるテクニックなどをご紹介します。

企業研究

1日100万台が利用する一大インフラ

首都高路線図。首都高速道路ウェブサイトより(クリックして拡大)

首都高速道路は、名前の通り首都圏(とくに東京23区内)の高速道路インフラを独占して管理運営する企業です。
利用自動車台数は1日に約100万台(*1)であり、過去10年以上にわたって平均90万台~100万台/日で安定的に推移しています。
「インフラ」企業にふさわしく利用概況は安定的に推移しており、これからも継続して収益を上げ続けることが推測されます。

*1: 首都高速道路ウェブサイトより。

「新型コロナ」から見る首都高速道路の安定性

新型コロナウイルスにより世界中の経済活動は失速・停滞し、「K字相場」とも言われるように、コロナ禍中では勝ち組企業・負け組企業が大きく二分されることとなりました。
就活生の皆さんにおいても、コロナで安定性の欠如が浮き彫りになった企業には就職したくない、というのが本音でしょう。それでは、首都高速道路は勝ち組、負け組のどちらだったでしょうか。

新型コロナウイルス騒動においては外出自粛要請が度々発出される事態ともなったことから、必然的に人の移動が減少し、高速道路の利用者数減に波及したことが想定されます。
令和3年3月期中間決算においては、営業収益の減少こそ見られた(前年同期比▲4.4%)ものの、料金収入の変動に応じて日本高速道路保有・債務返済機構に納付する道路資産賃借料が減価された(これを「変動貸付料制度」と呼びます)ことに伴い、営業利益は前年同期比+41.8%、最終利益は約43億円(前年同期比+54.4%)となっており、しっかり純利益で黒字を確保しています。

また、首都高速道路の主な収益源は高速道路利用者からの利用料ですが、他にも高架下駐車場の運営による収入や、国や地方公共団体による道路の新設・修繕委託による収入などを持ち合わせており、収益体制のリスク分散が取られている印象を受けます(こうした副収入部分について、詳細は「業績推移」で後述)。

以上のことからは、以下のように首都高速道路の安定性を評価することができるでしょう。

  • 利用需要が急減するような状態に陥っても、変動貸付料制度による固定費の減少に伴い業績の急激な悪化は防止される。
  • 高速道路利用料による収入のみならず、駐車場運営や自治体からの道路修繕委託による収入が確保される。

業界で数少ない「転居を伴う転勤」が無い企業

首都高速道路を含め、インフラ企業を志望する学生が気にする要素といえば、「転勤があるか否か」では無いでしょうか。
インフラ企業=安定している、という図式を描いて就職活動を行う学生が多いため、この図式と相反する転居・転勤は敬遠されがちな要素でしょう。

高速道路会社は分類上インフラ企業に属しますが、転居を伴う転勤が多いことがデメリットの1つとしてしばしば挙げられます。
たとえばNEXCO各社は日本全域をたった3社で分割管理しており、さらに3~5年ごとにジョブローテーションが行われるため、否が応でも転勤族にならざるを得ません

しかしながら、首都高速道路に関しては営業範囲は主に東京23区に限られるため、転居を伴う転勤のしようがない、というメリットが挙げられます。
当然ながら、転勤が無いとライフプランの描きやすさは桁違いです。転居を伴う転勤が嫌ならば、首都高速道路は非常に魅力的な就職先の1つではないでしょうか。

業績推移

首都高速道路は非上場企業ですが、各種業績がホームページ上にて公開されています。
本項では、公開情報をもとに首都高速道路の業績について簡単ではありますが分析の一例をご紹介します。

(下記で示すデータはすべて首都高速道路株式会社決算情報より引用)

営業収益・営業利益

はじめに、過去5年間の首都高速道路の営業収益および営業利益は上図のようになっています。
一見営業収益および営業利益が安定していないように見えますが、これには次のようなカラクリがあるからです。

営業収益が安定しないように見えているのは、営業収益として道路資産完成高が計上されているため(*1)であり、これを除けば次の「セグメント別利益」で示すように各事業が安定的な収益を上げていることが分かります。

(*1)高速道路会社は会計上、会計年度中に完成した道路を建設に要した債務とともに日本高速道路保有・債務返済機構に引き渡します。ここで引き渡された債務の額面が道路資産完成高として営業利益に計上されています。

セグメント別収益

道路資産完成高が計上されているため全体の収益からは首都高速道路の全貌がわかりませんから、セグメント別で売上構造を把握してみましょう。

上図は平成27年から令和2年までの首都高速道路のセグメント別営業収益の推移をグラフで表したものです。
このグラフからは、以下のようなことが読み取れるでしょう。

  • 首都高速道路の収益の柱は料金収入であり、収益全体の9割を占める
  • 国や地方公共団体から受注する道路の新設・維持・補修等による収益が毎年150億円から350億円前後で発生している
  • 駐車場事業など高速道路事業の周辺領域における収益が全体に占める割合は非常に軽微

下記記事「高速道路業界の実情に即した志望動機の書き方」を是非読んで頂きたいのですが、高速道路の新設は頭打ちであり、今後は周辺領域や新規事業の開拓が高速道路会社にとっての急務となると思われます(民営化した以上、収益の最大化は必須ですからね)。
ぜひ志望動機を書く上での参考にしてください。

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選考対策

高速道路業界の企業ランキング

高速道路業界に属する会社について、新卒就職の難しさ、企業の将来性などの総合評価を表にした記事を公開しています。
NEXCO各社や地方道路公社などと首都高速道路を比較する際に有用ですので、ぜひこちらもご覧の上、ESなどで首都高速道路を同業他社と区別する足がかりにご活用ください

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高速道路業界志望者必見のESテクニック

高速道路業界はもともと道路公団から民営化した関係上、どの企業も似たりよったりの現状にあり、また同じような課題を抱えています。
そのため、必然的に志望動機のフォーマットもある程度共通していると言えるでしょう。

下の記事では、高速道路業界に共通する課題を抽出した上で、「あなたらしさ」を最大限活かしつつ志望動機を構成する方法を紹介しています。
すでに志望動機が固まっている方も、より優れた志望動機を作り上げる上で参考になる情報があると思いますので、ぜひ一度目を通してみてください。

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高速道路会社を比較する

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首都高速道路に就職する上では「なぜ他の高速道路会社では駄目なのか?」を明確にすることが必須です。この問いに対する答えは、首都高速道路のみならず他の高速道路会社についても理解を深めることで、自ずと導き出すことができるかと思います。

当サイトでは首都高速道路以外の高速道路会社についても個別で企業研究記事を公開しておりますので、企業研究のためにも是非一度通読してみてください。