【22卒】大阪ガスの選考対策情報

この記事について

関西一円の都市ガスインフラを担う、「大阪ガス株式会社」の新卒向け企業研究・選考対策情報です。事業内容のおさらいから、エネルギー自由化局面における大阪ガスの強み、インターン・選考対策情報、企業の将来性に至るまでを網羅してご紹介。

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目次

企業概要

京阪神エリアのガス事業者

大阪ガスは1897年に創業した、都市ガス事業者です。
淀屋橋に本社を置き、大阪府・京都府・兵庫県・和歌山県・奈良県・滋賀県に都市ガスパイプラインを保有・ガス供給しています。

特筆すべきはガス会社の中で最も事業の多角化に精力的であることでしょう。
2019年3月期時点において売上高の70%を都市ガス事業が稼ぎ出していますが、従来の都市ガス事業に固執することなく電力・海外エネルギー・LBS事業という新たな収益源を確保しています。

これら都市ガス以外の3事業について、詳しくご説明します。

事業の多角化戦略

電力事業

発電施設

国内複数箇所に発電施設を建設中です。代表例:

  • 広畑バイオマス発電(7.5万kW)
  • 徳島津田バイオマス発電(7.48万kW)
  • 福島ガス発電(118万kW)
  • 袖ヶ浦バイオマス発電(7.5万kW)

再生可能エネルギーを用いた発電量は60万kWにも上り、2030年度には100万kWを目指しています。

首都圏進出

2018年、東海地方で電力供給を行う中部電力と折半出資により「CDエナジーダイレクト」という会社を設立しました。
これにより首都圏での電力・都市ガスの小売事業を展開し、都市ガス延伸が限界を迎えていた関西圏から飛び出したエネルギー小売事業を開始しました。

ちなみに大阪ガスと中部電力は非常に仲が良く、2009年には三重・滋賀パイプラインの共同建設を通して天然ガスの相互供給を行っています。

海外戦略

1990年から、海外のガス田開発に積極的に乗り出しています。
直近の事例で言えば、2019年7月には米テキサス州におけるシェールガス開発会社を650億円で完全子会社化しています。

2013年には権益を有していたシェールガス開発に失敗した形で290億円を特別損失として計上していますが、そうした事業リスクにも臆せず果敢に挑戦している点が大阪ガスらしいといえばらしいです(参考)。

LBS事業

ライフ&ビジネスソリューションと題して、関連会社ではエネルギー以外の事業も行っています。
事例をいくつかご紹介します。

ITサービス

完全子会社であるオージス総研が、システムインテグレータとしてシステム開発・ITコンサルティングといった業務を行っています。

素材事業

大阪ガスケミカルおよびJacobi Carbons AB社で、世界2位の活性炭製造・販売シェアを持っています。
その他にも、半導体製品に用いられるファインケミカルの製造を行っています。

エネルギー小売自由化の影響

電力・ガス業界はそれぞれ2016年、2017年に小売が自由化されました。
今後は更に送配電・導管の法的分離が予定されており、業界の先行きを不安視する方も多いでしょう。

本サイトでは、電力・都市ガスの小売完全自由化がもたらす影響について考察した記事を公開しています。
合わせてご確認ください。

関連記事関連記事電力・都市ガス小売完全自由化の影響、業界の将来性読む

売上・利益推移

次に、数字から大阪ガスの強みを分析してみましょう。
過去6年分の決算短信から売上高と純利益を取得・グラフ化しました。

売上

売上高の大半がガス事業によるものであり、LBS・電気と続きます。
なお、2017年度までは「電力」セグメントにLPGの売上高を含みます。

利益

一方で、利益額で見た場合にはガス一強ではないことがわかります。
海外事業が時々マイナス利益を計上しており、安定した売上の実現が課題でしょう。

他社との比較

大阪ガスの業績推移を見た上で、同業他社との比較は必須です。
ガス業界の同業他社には「東京ガス」や「東邦ガス」が、同エリアの競合他社には「関西電力」が挙げられます。

東京ガスや東邦ガスとの業績推移比較については、東邦ガスの企業分析ページにてご紹介しています。
事業の効率性を示す指標であるROAを用いた比較等を行っていますので、ぜひ御覧ください。

関連記事関連記事東邦ガスの企業研究・選考対策読む

事業展望

https://www.osakagas.co.jp/company/about/philosophy/pdf/03.pdf

大阪ガスは中期経営計画2020および長期経営計画2030を公開しています。

既存のガス事業に依存した財務体制を改善するため、次のことに取り組むことが述べられています。

  • 連結経常利益を3倍にする(全セグメント共通)
  • 海外事業と国内事業の比率を1:20から1:2に改善する

ここから言えることは、次の2点でしょう。

第一に、強い向上心・チャレンジ精神を持った人材が求められます。
都市ガス業界のみならずインフラ業界の中でも、大阪ガスのように広範な事業展開を行っている企業は稀有な例です。
既存の権益にとらわれない広い視野を持ち、新しいことに挑戦することが好きな人材は重宝されるでしょう。
長期経営計画で「連結経常利益3倍」を目標に掲げていることからも、非常に強い野心が伺えます。

第二に、海外志向の人材も強いでしょう。
ガス会社といえば狭い地域で事業を展開しているように思えますが、先に述べたように大阪ガスはアメリカにおけるシェールガス権益の獲得など、国内外にまたがった事業展開を行っています。
中長期経営計画からも、今後海外展開に力を入れて取り組むことは見て取れますから、そうした経営方針に寄与できる人材は優遇されることでしょう。
実際、大阪ガスはボストンキャリアフォーラム等における留学生人材の積極採用も行っています。

本サイトでは中期経営計画から志望動機を考えることをオススメしています!
具体的な方法については、上の画像をクリック!

採用情報

インターンシップ優遇

あり

内定者は実務実習インターンシップまたはビジネスセミナーの参加者がほとんどです。
正直、これらに参加していない方はその時点で補欠であると言わざるを得ません。

インターンシップについても、参加すればよいというものではなく、しっかりと実績を残す必要があります。
「常に評価されている」ことを肝に銘じた上で参加しましょう。

関連記事関連記事インターンシップを内定に直結させるためのテクニック読む

その他優遇

あり

一定以上の学歴の場合、リクルーターが付くことがあります。
しかし、先に述べたとおりインターンシップ・セミナー参加者の厚遇が強すぎるため、何の優位性も有りません。

リクルーターが付かなかった場合は望みすら無いでしょう。

就職難易度

★★★★☆(4/5)

関西圏においてはトップレベルの就職として認知されており、インターンシップ参加者も京阪神の学生がほとんどです。
それと同様、総合職内定者も京阪神の学生が占める比率が高く、関西地方のトップ学生が集就職先と言えるでしょう。

文理合計で総合職採用の人数は50~70名ほどと枠が非常に限られており、激戦を強いられます。

備考

インターンシップ等で高評価を得た場合、人事面接前に2~4回のリクルーター面談があります。
選抜要素は比較的薄く、人事面談の下準備的な意味合いが強いです。

ここでES記載内容を中心にフィードバックを貰い、人事面談に備えましょう。

面談で中心的に訊かれること

  • 学生時代頑張ったこと(大学時代)
  • 学生時代頑張ったこと(高校時代)
  • 学生時代頑張ったこと(小・中学校時代)
  • 会社に入ってからやってみたい仕事・キャリアプラン
  • 周りの人に何と言われることが多いか
  • 自認している長所・短所

志望動機はあまり重視されないようです。

年収など

従業員情報

  • 従業員数:5392人
  • 平均年齢:43.3歳
  • 平均勤続年数:17.8年
  • 平均年収:667.2万円

平均年収は管理・監督の地位にあるものを算定対象に含んでいません。
総合職採用の場合、全く当てにならない数字でしょう。

セグメント別従業員数

  • ガス:10973人
  • 電力:395人
  • 海外エネルギー:194人
  • ライフ&ビジネスソリューション:8662人

備考

風の噂ですが、総合職の年収は四季報掲載のものよりかなり高いです。
順当に出世した場合、30歳800万円、35歳1000万円、40歳1100万円~が目安でしょう。

もっとも、今後の業界の流れによってはこの水準を維持することは難しいかもしれません。