【22卒】半導体に命を吹き込む、東京応化工業(TOK)の企業研究・選考対策

この記事について

半導体向けフォトレジストで業界シェアNo.2を誇る東京応化工業の就活生向け情報ページです。事業紹介、業績推移、将来性、競合企業などの企業研究情報から、志望動機ネタや面接対策、Webテストの種類、GD対策など選考を受ける上で知っておきたい情報もご紹介。

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目次

企業情報

概要

画像引用:東京応化工業

東京応化工業は神奈川県川崎市に本社を置き、半導体向けフォトレジストや半導体パッケージなど半導体関連製品を供給する半導体関連メーカーです。
半導体製造用フォトレジストで市場シェア2位を獲得するなどニッチ市場で盤石な地位を築いており、そのシェアに基づく盤石な財務体制をも備えています。

基本情報

社名東京応化工業株式会社
創業1940年10月25日
資本金146億40百万円
売上高(連結)1028億20百万円
純利益(連結)78億95百万円
従業員数2014名

(2020年3月31日時点)

企業研究

事業構成

東京応化工業の事業内容は、大きく分けて次の2つに分類することができます。

  • 材料事業:フォトレジストなどエレクトロニクス機能材料や、フォトレジストとともに用いられる洗浄液、シンナー、現像液などの高純度化学薬品
  • 装置事業:半導体・ディスプレイの製造用装置の製造販売および保守

詳細は「業績推移」で述べますが、売上構成としては材料事業が1026億円で全体の87%を占める形となっています。
今回の記事では、特に同社の主力事業である材料事業に焦点を当てて解説します。

材料事業

画像引用:明和化成株式会社

フォトレジストとは、半導体製造工程において回路パターンの焼付を行う際に用いられる材料です。
フォトレジストは感光性を有することから光を浴びることで溶解性が変化する特徴があり、この特性を用いてパターニングが行われます。

溶解性の変化には「ポジ」「ネガ」の2種類あり、「ポジ」では溶解性が増大し、「ネガ」では逆に低下します。
とはいえ、「ネガ」型は特性上微細配線への対応が難しく、半導体の小型化が著しい昨今は用いられることが少なくなりつつあります。

さて、このようにフォトレジストの塗布部分と非塗布部分の2種類からパターニングを行う工程を「リソグラフィー」と言うのですが、その技術は1980年頃から脈々と進化を続けてきました。
例えば、当初は高圧水銀灯による発光線g線が用いられていたのが、短波長化によりKrFエキシマレーザー、そしてArFエキシマレーザーへと変遷しています。
その過程での露光装置の高解像度化は著しく、当初のg線では436nmであったものが、ArFエキシマレーザーでは193nmと半分以下まで高精度化してきました。
近年ではEUV(13.6nm)など次世代リソグラフィー技術も発展しており、半導体装置の小型化に大いに貢献しています。
皆さんが使用しているスマートフォンがこれ程までにコンパクトになったのも、超極細目でのパターニングを実現するリソグラフィー技術の進化の賜物と言えるでしょう。

ここで東京応化工業に話を戻すと、ポジ・ネガ双方、そしてポジではg線用からEUV用、電子ビーム用まで、非常に多種多様なフォトレジストを取り揃えており、幅広なニーズに対応しています。
実は、半導体向けフォトレジスト市場の9割を日系企業が占めており(上図参照)、東京応化工業はJSRに次ぎ市場シェアの24%を獲得しています。
多少の失速が見られるとはいえ、半導体市場は未だ超高度の成長産業であり、新型コロナの影響下で世界中の経済が停滞している中においても3%以上のプラス成長が予測されるほどです。
そのような半導体産業において、必須品とも言えるフォトレジストで市場シェアの1/4を獲得していることはとんでもなく恵まれたことと言えるでしょう。

ちなみに、半導体向けフォトレジスト市場の9割が日系企業と述べましたが、最早日本の一大産業と言っても過言ではないからか、2019年の対韓輸出規制品目に「フォトレジスト」が加えられ、IT立国である韓国への「脅し」の材料に用いられたほどです。
とはいえ、企業側としては、この措置はたまったものではありません。そのため東京応化工業では韓国インチョン市に現地生産工場を構え、大口顧客であるサムスン電子向けに量産化を進めています。

・関連記事:日本の化学メーカー フォトレジストの韓国内生産を開始(2020年7月2日、KBS WORLD Radio)

経産省「グローバルニッチトップ100選」2連続受賞

さて、ここまで同社が半導体向けフォトレジストに特化した企業であることをご紹介してきましたが、同事業において、同社は経済産業省が定期的に発表している「グローバルニッチトップ100選」に選出されています。

同賞は、「世界的シェアと利益の両立」「技術の独自性」「サプライチェーン上の重要性」などの条件を満たした企業が選出されるものであり、国内外問わずニッチ市場で活躍している企業を探す際に非常に有用です。
東京応化工業は、当サイトで既にご紹介した「イビデン」(半導体ICパッケージ首位級)「大阪チタニウムテクノロジーズ」(チタン素材世界首位)などと並んでの受賞、しかも2013年版と2020年版の2連続受賞であり、まさに知る人ぞ知る優良企業である証左でしょう。

・関連:2020年版グローバルニッチトップ企業100選(経済産業省)

他の受賞企業

関連記事関連記事イビデンの企業研究・選考対策読む 関連記事関連記事大阪チタニウムテクノロジーズの企業研究・選考対策読む

競合他社

東京応化工業の競合他社を見てみましょう。
同社はほぼフォトレジスト特化企業ですから、他のフォトレジストメーカーが挙げられます。
たとえば、「JSR」「信越化学工業」「住友化学」「富士フィルム」などですね。

特に信越化学工業はTOPIX Core30採用銘柄でもあり、化学メーカーに興味がない人でもその名を知る人は多いのではないでしょうか。
信越化学工業のセグメント売上高に占めるフォトレジスト関連(電子・機能材料)の売上高は14%に過ぎず、傍流事業では有りますが…。

相対的にフォトレジストに力を入れている企業で言えば、「JSR」でしょうか。
同社は合成ゴム事業が主力の化学メーカーですが、フォトレジスト含むデジタルソリューション事業にも力を入れており、売上高構成比は約29%に上ります。

しかしながら、化学メーカーの中でも、特にフォトレジストに特化した企業は東京応化工業だけであり、差別化は容易です。
特にライバルとなりうるこれら2社との差別化を明確に語れるようにしておけば、面接対策としては十分ではないでしょうか。

業績推移

*2017年度より決算日が3月31日に変更されているため、同年以降は期間が1月1日~12月31日となっています。
期間が異なるため単純比較すべきでは無いかもしれませんが、今回の記事では集計期間の異同を無視して業績比較します。

売上高

直近5年間の東京応化工業の売上高推移は上の画像のようになっています。
2015年から2018年にかけては順調に売上高を伸ばしているものの、2019年度には前年度比▲2.3%となっています。
これは、半導体市場の冷え込みによるデータサーバやスマートフォンなどエレクトロニクス産業の需要鈍化が影響を及ぼしています。

このように、半導体市場は中長期的には成長しているものの、短期的には景気変動の煽りを非常に受けやすく業績の安定性は比較的低いと言わざるを得ません。
また、材料事業は好調であるものの、装置事業は例年営業利益で赤字を垂れ流し続けている状態であり、これを早急に改善する必要があるでしょう。

地域別売上高

さらに、売上高をエリア別に分解してみましょう。
売上の半分以上を日本と台湾が占めており、中韓の比率はそれぞれ約10%に過ぎない形となっています。
例年の売上高海外比率は75%ほどであり、グローバル企業としての色合いが強いことが分かります。

なお、前年度と比較すると、対中国売上高が増加しており、日本は横ばい、台湾・韓国・米国は減少に転じています。
(FY 2017以前は中国が「その他」に包含されており比較できませんでした。)

営業利益・売上高営業利益率

続いて、直近5年間の営業利益および売上高に占める営業利益率の推移は上図のようになっています。
営業利益・営業利益率ともに漸減傾向にあり、あまり宜しくないように思えます。

この傾向の主原因として、2019年度には「最先端半導体製造プロセスに使用される製品の量産準備に伴う人員増加等による経費増の影響」を、2017年度には「積極的な設備投資に伴う減価償却費等の経費増加」「原油価格上昇等に伴う原材料費の高騰」を挙げています。
すなわち、企業の成長加速のための投資経費や、不可抗力である原材料費の変動などが主原因とのことであり、必ずしもネガティブに捉える必要は無いのかもしれません。

なお、営業利益率は好調時で15%、不調時でも9%前後と、一般企業に比べ比較的高い数値と言えるでしょう。
とはいえ半導体関連業界は全体的に高営業利益率を誇る企業が多く(例えば東京エレクトロンは21%、信越化学工業は26%)、これらに比べると見劣り感は否めません。
もっとも、競合企業として挙げた企業の1つであるJSRの直近の営業利益率は7%であり、業界水準で見れば中の上に位置していると見ても良いのではないでしょうか。

自己資本比率

東京応化工業を語る上で必ず把握しておきたいのが、自己資本比率の高さです。
自己資本比率とは、総資本に占める返済不要資本の割合を示したものであり、世間の相場としては40%あれば必要十分とされています。

東京応化工業は内部留保金が非常に多く、財務的に非常に安定しています。
自己資本比率は漸減傾向にあるものの例年80%前後を維持しており、企業の財務体制は非常に盤石であると評価できます。
半導体産業が非常に景気変動に敏感であることは既に述べたとおりであり、東京応化工業もその煽りを受け業績が安定しない特徴がありますが、これだけ財務が健全ならば多少の不況ではビクトもしないでしょう。

将来性・事業リスク

ここまで東京応化工業の事業内容や業績について俯瞰的に学んできました。
それでは、これらの情報を踏まえた上で、就職先として東京応化工業はどうなのかということについて、プラスとマイナスの両側面から私見を書き記します。

将来性

まず、再三繰り返し述べていますが半導体産業は未だ急成長中の分野であり、これからしばらくは東京応化工業もそれに吊られ業績を拡大することが予想されます。
また、事業規模拡大のために適切な設備投資・人件費への投資を行っています。

更に、FY 2019には年間83億円の研究開発費を行っており、生き残りを賭けた研究開発にも精力的です。
売上高に占める研究開発費用比率は13%に上り、同業界の他企業に比べてもかなり多いほうです。

現状の半導体産業においてはフォトレジストは必要不可欠な素材であり、今後も順調に売上を伸ばしていくことが予測されるため、「将来性は明るい」と評価できます。

事業リスク

ウシオ電機によりレジスト工程無しでパターニングを実現するための技術開発が為されており、これが世界的に普及した場合、現在フォトレジスト関連事業以外で有力な事業分野を有していない同社は大打撃を受けることになりえます。
まあ、余程のことがない限りそのような事態にはならないだろうと思いますが…。

・関連:世界初、フォトレジスト不要で直接かつ微細パターニングが可能な 真空紫外(VUV)平行光ユニットを開発 – ウシオ電機

また、中国が現在推進している「中国製造2025」による、国内の半導体産業が不況に陥るリスクも考えられます。
同政策では、2025年までに半導体関連産業を中国国内で完結できるようにする国家主導のプロジェクトです。
同社売上に占める中国比率は比較的少ないですが、素材を提供している企業群の業績が悪化した場合、モロに影響を受けることになります。

その他、有価証券報告書記載の事業リスクとしては、

  • 業界景気変動リスク(エレクトロニクス業界は循環的な市況変動が大きく、需要動向、技術革新によるユーザーニーズの変化への対応)
  • 為替変動リスク(海外取引比率が高いため)
  • 研究開発リスク(研究開発に経営資源を投入しているが、ユーザーニーズの変化や技術革新などにより、成果を得られない可能性がある)
  • 知的財産リスク
  • 原材料調達リスク(原材料価格変動や、原材料の供給遅延などによる影響)
  • 製造物責任リスク

などが挙げられています。

選考対策

ここからは、東京応化工業の選考を受けられる方に有益な情報をお伝えします。

志望動機・面接対策

志望動機は中期経営計画から逆算して立てると、「その会社が目指すポイント」と「そこに到達するために活かせるあなた自身の強み」をマッチさせることが容易であり、オススメです。
方法論についての詳細は以下の記事に記載してありますので、読むことをオススメします。

関連記事関連記事「志望動機」は中長期経営計画から逆算しよう読む

経営戦略

中期経営計画より、全社戦略を抜粋・要約したものがこちらです:

  • 顧客の声を的確に捉え、迅速に応え、顧客とのパイプを、より太く、より強いものとする
  • マーケティングを強化し、顧客の価値創造プロセスへの理解を深め新たな価値創造に結びつける
  • 自ら調べ、自ら判断し、自ら行動できる人材を強化する

非常に志望動機が書きやすい経営戦略となっていますね。使わない手はありません。

・関連:中期経営計画

Webテスト

東京応化工業のWebテストは、「C-GAB」となっています。
玉手箱のテストセンター形式であるC-GABは、電卓を使えないなどの制限から玉手箱よりも難易度の高い試験となっています。
詳細や試験会場での流れなどは、下記記事にて記載していますのでご参考までにどうぞ。

関連記事関連記事【例題付き】適性検査C-GABとは?高得点で突破するための対策方法・合格率読む

また、玉手箱の練習問題も当サイトでは無料公開しています。
C-GABの問題形式は玉手箱と同一であり、基本的に玉手箱の対策がそのまま通用します。
(電卓無しでの計算慣れなどは必要ですが…。)

本を買って勉強するのも良いですが、当サイトでは完全無料で玉手箱の練習問題を多数公開しています。
下記リンクから、ジャンル別に問題を解くことができますから、ぜひご利用ください。

玉手箱の練習問題一覧

グループディスカッション

東京応化工業は選考過程でグループディスカッションを課されます。
GD対策は場数を踏んで慣れることが一番の対策ですが、小手先ながら強烈な効果を発揮するテクニックも存在します。
あなたの「他の人を引っ張る能力」を見ることこそがグループディスカッション試験の目的なのですから、そこから逆算すれば最も効果的な手段が何か、自ずと分かるかと思います。
この方法について、下記記事でまとめていますのでGDが不安な方はぜひ一読してみてください!

関連記事関連記事グループディスカッションは何分前に行けばいいのか?GD必勝法が「始まる前」に潜む理由読む

企業研究をより深める

当サイトの企業研究記事は、主に企業が発行する決算短信や有価証券報告書、業界専門紙、信用調査会社のレポートなど信用できる情報源を基に分析・公開しています。
しかし、決算短信や有価証券報告書などに記載されている内容をすべてまとめているわけではありません。
ご自身でこれらの資料を読む力をつけておくことで、より深い企業研究が実現するかと思います。
決算資料の読み方は下記記事にてまとめていますから、ぜひこちらを参考にご自身なりの企業研究方法を確立してみてくださいね!

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